Oasisのパクリ曲!?とこれから
90年代のイギリスを代表するロックバンドを1つ上げるとすれば、僕は間違いなくOasisを挙げる。60年代をThe Beatlesの時代とすれば、90年代はOasisの時代とも言える(もちろんblurやThe Verveなどモンスター級のロックバンドもいた)。
Oasisと言えばその中心を担うGallagher兄弟の不仲が有名であり、それが原因で2009年にバンドが解散してしまったことも記憶に新しいだろう。兄のNoel Gallagherは同郷(マンチェスター)出身のバンドInspiral Carpetsのローディなどの下積みを経験しながら、すでにいくつかの詞を書いていた。"All Around the World"などは彼らがデビューした1996年よりも前の1992年あたりにプロトタイプは完成していたと言われる。
Oasis - 13 - All Around The World (Live at GMEX, Manchester, 1997)
Oasisファンの間では傍若無人の弟Liam Gallagherよりも、クールなバンドマスターの兄Noel Gallagherの方を崇める人のほうが多い印象があるが、実はOasisの原型を作ったのは弟のLiam GallagherとサイドギターのBoneheadの二人であり、そこにNoelが頭を下げてバンドに加入させてもらったという事実はあまり知られていない。
Noel GallagherはOasisの楽曲のほとんどの作詞作曲をしており、それが崇拝の要因となるのかもしれない。しかし彼はあるインタヴューでこのように発言している。「俺は世界で一番楽な仕事をしている。他人が作った楽曲をパクって、くっつけて、それを馬鹿な弟の頭にたたきこむだけさ」大胆な発言でもあるが、実際どの音楽にも完全なオリジナル作品などないだろう。今回はNoelが影響を受けたとされるオリジナル楽曲と、それを発展させたOasisの楽曲を比較してみたい。
1 Bang a Gong(T REX)→Cigarettes and Alcohol
YouTube T Rex Bang a Gong 1973 Midnight Special
Oasis - Cigarettes and Alcohol Live Slane Castle 1995.
2 Street Fighting Man(The Rolling Stones)→Lyla
The Rolling Stones - Street Fighting Man 1968
Oasis - Lyla (Live on Jonathan Ross Show 2005)
3 How Sweet to Be an Idiot(Neil Innes)→Whatever
Neil Innes - How Sweet To Be An Idiot (VOSTFR)
Oasis - Whatever (Live at Glasgow 2001)
どうだっただろうか。Noel Gallagherの才能がよく分かる動画だったと思うが、それはOasis解散後のNoel Gallagher's High Flying Birdsというバンドでもよく表れていると思う。
Noel Gallagher's High Flying Birds - Holy Mountain
(現代的なポップ感もまたいい!)
一方、弟のLiam GallagherはOasis→Beady Eyeというバンドを経て、Liam Gallagherの名義で活動しており、才能は未だに発揮されている(一時期声が不安定だったが、今は復活している模様)。
Liam Gallagher LIVE from the roof | Full show (Radio X session)
多くのOasisファンは彼らが再び一緒に活動する日を待ち望んでいる。しかし、僕はOasisというのは一つの歴史であり、彼らはそれを事実として受け止めていることを尊重したい。もちろん将来的に彼らが再び一緒に同じステージに上がるとすれば、それは喜ばしいことだが、彼らがOasisという土台を経て今があることを常に意識していることを忘れはいけない。